著：榊 一郎 イラスト：ニリツ
「……生きろ」
「生きねばならない。最後の命令だ。生きろ。理由はどうあれ私を殺した以上、お前は生きねばならない。生きて━━思い知るがいい、生きる事の罪を」
ファンタジア文庫2018年２月の新刊。約３ヶ月２週間の積み。『棺姫のチャイカ』の完結から実に２年11ヶ月。遂に榊さんのファンタジアでの新シリーズが始動。今回も魔法有のファンタジーです。
絶対流刑の地、棄界（ゲヘナ）に送られた主人公イオリ・ウィンウッドは、湖で溺れかけていたところをケモミミ少女タビタに救われる。
イオリは密命を果たすため、タビタに棄界の案内係を頼むことにするが……。
イオリの使命は現世で失われた王家の血筋に連なる者を捜し出すこと。一昔前なら、その王家の血筋の人物が出て来るまでに３巻くらいかかるイメージだけど、速攻見付かっちゃうのな。
タビタの武器が王権器（レガリア）だというのも容易に想像がつくものの暫くは引っ張るのかと思いきや、今回のクライマックスで判ってしまう。
やはり昨今はサクサク話を進めないといけないということなんだろうか。まいていこう。大嵐浩太郎かよ。
『チャイカ』に続き、また片言ヒロインというわけです。しかし片言ヒロインの可愛さは『チャイカ』のアニメで証明されているんだよなぁ。少女監禁放置厳禁。
また犬っぽさも併せ持っているので『まかでみックス』のクフィールっぽくもある。尻尾で感情表現するの可愛い。
ニリツさんのイラストはどうかなーと思ったんだけど、イオリがめっちゃイケメンじゃない？ピンナップの魔術発動のポーズ、厨二臭くて良い。
ユーフェミアの鎧姿のデザインは露出度が高過ぎだと思うが……。一部鎧を失っている状態ってわけじゃないよな……。
近年の榊さんの作品って昔の真っ黒な部分はなりを潜めているように思うんだけど、今回は最近の中では黒い方なんじゃないかな。
アダムの最期は物理的には別に黒くないんだが、精神的にクる終わり方であった。一般的には救いである筈なのに、価値観の歪んでしまったアダムにとっては苦痛でしかないというのがいやらしい。
そんな具合で新シリーズスタートです。さっさと種明かしするところはしつつも、適度に謎が残っているので続きが気になりますね。
燃：Ａ 萌：Ａ 笑：A- 総：A+
シリーズリンク
・誰が為にケモノは生きたいといった ２巻（2018/06）
著者リンク
・ザ･ジャグルⅠ 汝と共に平和のあらんことを（ハヤカワ文庫ＪＡ、2010/01）
・ミカヅチ（MF文庫Ｊ、2010/02）
・棺姫のチャイカⅠ（ファンタジア文庫、2010/12）
・棺姫のチャイカⅩⅡ Blu-ray付き限定版（2015/03）
・ダブルバインド 黄昏に獣は踊る（C★NOVELSファンタジア、2011/09）
・その男、魔法使い“Ａ” ＜１＞（2011/11）
・アウトブレイク･カンパニー 萌える侵略者 １巻（講談社ラノベ文庫、2011/12）
・アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 17巻（2017/04）
・アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 18巻（2017/08）
・タタリ・ブレイカー弑子（HJ文庫、2012/04）
・神曲奏界ポリフォニカ エイフォニック･ソングバード（GA文庫、2012/05）
・アーク・ブラッド A.D.5000のアダム（Ｃ★NOVELSファンタジア、2012/09）
・フェアリィフィールド 妖精戦陣（朝日ノベルズ、2012/11）
・茉建寺エリノアの非主流科学研究室（2012/12）
・仮想天使は魔術を詠う（スマッシュ文庫、2013/03）
・蒼穹騎士 －ボーダー・フリークス－（ハヤカワ文庫JA、2013/06）
・ドラゴンズ・ウィル 完全版（富士見書房ソフトカバー、2013/09）
・機関鬼神アカツキ ＜１＞（ファミ通文庫、2013/12）
・神鎧猟機ブリガンド（ダッシュエックス文庫、2014/11）
・熾天使空域 銀翼少女達の戦争（Ｃ★NOVELSファンタジア、2015/03）
・蒼鋼の冒涜者（ＨＪ文庫、2015/05）
・カタナなでしこ（講談社タイガ、2016/01）
・ウィッチ・アームス 魔法少女は素敵なお仕事（ダッシュエックス文庫、2016/06）
・永き聖戦の後に ストレイ・シープ（スニーカー文庫、2016/11）
・パラミリタリ・カンパニー 萌える侵略者 １巻（講談社ラノベ文庫、2017/05）
イラストリンク
・わるぷるキス！（ＭＦ文庫Ｊ、2009/08）
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| 誰が為にケモノは生きたいといった (ファンタジア文庫) | |
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榊 一郎 ニリツ
KADOKAWA 2018-02-20 |
